弁理士さんの「知的財産教室」開催! (八戸市少年少女発明クラブ)

更新日: 2025年07月04日印刷

  • 活動日:2025年06月29日(日)
  • 参加人数:クラブ員28名 保護者21名

 

 令和7年6月29日(日) 八戸市福祉公民館にて、日本弁理士会による「知的財産教室」を行いました。ご指導くださった弁理士さんは、富沢特許事務所の富沢知成弁理士、マルハニチロ株式会社 の土田 新弁理士のお二人です。クラブ員28名と保護者21名が参加しました。

 

 富沢弁理士の進行で、発明とは? 困ったことを解決したおもしろい発明商品の紹介、 発明したものをまねされたら? 弁理士という仕事 などを、スライドと全員参加のクイズも交えて、分かりやすく説明していただきました。
 小学生にとってはやや難しいと思われる「知的財産」「特許」などの解説も、講師の笑顔と巧みな話術に引き込まれ、集中してお話を聴くことができました。講師の問いかけにも積極的に手をあげて答えたり、著作権について質問したりすることができました。

            〈乾電池の発明は日本である。〇か×か?〉 

 

 次は、「 ペットボトルを利用して筆を洗い終わった時、そのまま洗面台に流すと飛び散って、洗面台が汚れてしまう」という問題を解決するため、‟洗面台を汚さずに捨てられるように工夫した発明工作”に挑戦しました。
 8班に分かれて、配られたペットボトル、紙コップ、ストロー、セロハンテープの材料を使い、クラブ員は思い思いに問題を解決するアイデアを考え、制作をしました。
 完成した順に、土田弁理士と流し台で試し、助言を受けて改良したり、2つめの作品作りに挑戦したりする子どもたち。みんなイキイキしています。

 

     

 

 最後は、まとめの時間です。
 各班から1人ずつ、どのような工夫をしたか発表しました。ペットボトルの横にストローをつけ、排水溝に差し込む。紙コップの底にストローをつけ、じょうごのように流す。空気穴をあけて流しやすくする工夫。など、様々なアイデアがありました。

 

      

 

 発明工作の体験を通して、子どもたちは不便を解消する発明を身近に感じ、アイデアを尊重する意識が高まったのではないかと思います。そして、知的財産権によるアイデアの保護の重要性や、それを助けてくださる弁理士さんの仕事を理解することができました。たいへん有意義な活動となりました。日本弁理士会の皆様に厚く御礼申し上げます。 

 

 

 クラブ員の感想 

  •  トーマス・エジソンが作った ちく音きというものを知れてとてもよかったです。クイズで楽しくいろいろなことを学べてとてもよかったです。(小3男子)
  • 弁理士が発明をまねした悪い人をついほうしたのがかっこいいと思いました。 (小3男子)
  • もっと改良して良いものにしたいです。ちがう物もどんどん発明したいです。 いろいろなことを考えながらかい良すると、とっても楽しかったです。(小4女子)
  •  発明と弁理士は深い関わりがあることがわかりました。自分のアイデアを盗まれないようにするために大切だと感じました。工作では、みんないろいろなアイデアがあって、なるほどと思いました。楽しかったです。(小5男子)
  • エフ博士と怪しい人を使った説明はわかりやすく、弁理士の役割、仕事がよく分かりました。これからもぼくはたくさん発明するので、発明について貴重な体験ができて良かったです。 (中1男子)
  • 汚れた水を流すしくみを考えた時、その問題が解消したら別の問題が出てきました。そうやって考えた発明品がまねされないために「特許権」は自分の意思を守るためにとても大事だと思いました。(中2男子)

 

 護者の感想 

  •  不便を解消するものが「発明」だということが、子どもも理解できたのではないかと思います。わかりやすく講義していただきありがとうございます。私も興味を持ってお話を聴くことができました。(父・40歳代)
  •  今は子どもが自分でいろいろな情報を得ることができる便利な時代ですが、その中で、安価なものの質を見極めたり、立ち止まって考えたりするきっかけになるお話を聞くことができました。貴重な機会をありがとうございました。(母・40歳代)
  •  弁理士という職業を初めて知りました。便利なものが世の中に出るのに様々な手続きを経て流通しているのだなと知りました。 (母・50歳代)
  •  生活の不便を解消するためのアイデアを考え、特許を取った商品(サラカップル、カタシャンボトルなど)の紹介も、弁理士や特許権の説明もたいへん分かりやすかったです。工作を作り、実際に機能するか実験してよいと思いました。実験した後の子どもたちの表情がとてもよかったです。(母・50歳代)

 

 弁理士さんからのメッセージ 

 

 発明工作のできばえ、満足度について、皆さんの多くは100点満点中の60~80点くらいだったようです。「まだまだ、改良するべき点がある」ということを、多くの皆さんが感じていましたね。発明は、思いつき→形づくり→実験→振り返り→改良→形作り→・・・と進んでいきます。人間の生き方も、きっと似ていることでしょう。

 皆さんの中には「文句なし!100点!」という人もいました。素晴らしいことです。それを、お母さんやお父さんに、あるいは他の人にくわしく説明し、みてもらいましょう。もしかしたら、くわしく説明したり実演することで、「あれ?欠点があるぞ。直さなければ」ということに気づくかもしれません。それもまた、ありがたいことです。

 そして「全然ダメだ。あ~あ」という人もいたかもしれません。ですが、そうであればあるほど、自分が持っている可能性はとても大きいと言えるのです。発明には、スピードも大切ですが、<発明する>というココロの活動は、自分のペースで、明るく行なっていってこそ、世界中であなたにしかできない<発明>が、必ず生まれるはずです。 また、いっしょに勉強しましょう!

                                       富沢知成